水素水とppmの関係

人間の生命活動では酸素は当然必要なのですが、摂取した酸素の一部が活性化して老化の原因となることが知られています。この活性酸素の除去として期待されるのが、強力な還元作用を持つ水素です。水素は酸素と容易に結びついて水となることからわかるように、酸素を取り去るには大変適した物質です。

近年では、活性酸素による老化を抑え、美容や健康によいとされる水素を多く体に取り込むという考えのもと、水素水の人気が高まっています。もともと水素は普通の水にも微量は含まれているのですが、一定以上の量の水素を水に含有させたのが水素水です。

水素をできるだけ多く取り込むという観点からは、水素水に含まれる水素の量は多いに越したことはありません。しかし、どのような物質でも、一定の気圧下で水に溶け込ませることのできる量は限られています。例えば、水素であれば、大気圧下で水に溶存できる量は、1.6ppm程度とされています。なお、ppmは濃度を示す単位であり、1ppmは百万分の1のこと。1.6ppmは、1リットルの水に1.6ミリリットルの水素が溶け込んでいることを示します。

ときおり、1.6ppmを大きく超える非常に高い水素濃度の製品を見かけることがあります。このような製品では、大気圧よりも高い圧力で水素を注入することで、強制的に水に溶け込ませていることになります。しかし、このような高濃度の水素水を飲んでも、標準的な製品と比べて水素の摂取効果はほとんど変わりません。というのも、水素水の封を開けた瞬間に容器内部の圧力が大気圧になり、水に多くの水素が溶け込んでいたとしても、一瞬で外に逃げてしまうからです。

つまり、高い水素濃度だから美容健康によいだろうと考えて、かなり高い値段の製品に飛びついて購入することはあまりおすすめしません。水素水の水素濃度は1ppmあれば十分です。毎日、続けて飲み続けるためにも、手頃な値段の製品を購入する方がよいでしょう。

関連記事

PAGE TOP